建売住宅のメリット・デメリットは？
注文住宅との違い・向き不向きも

マイホームを購入するときは、住まいとなる家をどのように購入するか考えなくてはなりません。家の購入方法は、建売住宅と注文住宅の2種類に大きく分けることが可能です。

建売住宅や注文住宅について、言葉は聞いたことがあっても、具体的な内容を知らない人は多いのではないでしょうか。建売住宅と注文住宅はさまざまな点で違いがあるため、家を購入する前に知っておくことが重要です。

今回は建売住宅のメリット・デメリットを中心に、注文住宅との違いや、人による向き不向きも交えて解説します。

1.建売住宅とは？注文住宅との違いも

建売住宅とは、土地と新築住宅がセットになっている住宅販売方式のことです。建売住宅は住宅を建てた後に販売されることが一般的であるものの、建物部分が未完成や着工前の状態で販売されているケースもあります。一方で注文住宅とは、土地を購入した後に、ハウスメーカーや工務店などと建築工事請負契約を結ぶ方式です。

以下の表では、建売住宅と注文住宅の違いを簡単に紹介します。

建売住宅
土地の購入方法	住宅とセットで購入する
予算の立てやすさ	住宅の施工費用を含めた販売価格であり、予算を立てやすい
設備仕様や 間取りの自由度	基本的に自由度が低い
住宅ローンを 借りる手間	土地代金と建物費用を一括で借りられるため、手間が少ない
入居できる時期	完成済みは即入居、未完成であっても注文住宅より早く入居できる

注文住宅
土地の購入方法	住宅とは別に購入する
予算の立てやすさ	住宅の施工費用が変動するため、予算は住宅次第となる
設備仕様や 間取りの自由度	仕様や間取りを自由に決められる
住宅ローンを 借りる手間	融資実行のタイミングによってはつなぎ融資が必要となり、手間がかかる
入居できる時期	土地購入後に施工計画を進めるため、時間がかかる

2.建売住宅を購入する4つのメリット

土地と住宅を別々に購入しなければならない注文住宅に比べて、建売住宅は土地と住宅をセットで購入できるため、多くのメリットがあります。住宅購入にかかる費用や手続きの負担を抑えたい場合は、建売住宅の購入を検討してみましょう。

ここからは、建売住宅を購入する4つのメリットを紹介します。

2-1.注文住宅に比べ低コストで一軒家を購入できる

建売住宅は注文住宅に比べて、販売価格が安いことが特徴です。建売住宅はハウスメーカーの所有する分譲地に建てられることが多く、分譲地一帯の住宅は基本的に同じ規格で施工されます。同じ規格で施工する場合はほとんど同じ建材を使用することになり、ハウスメーカーは住宅戸数分の建材をまとめて発注できるため、建築費用のコストカットが可能です。

対して、注文住宅は施主の希望条件を汲み取って一から設計プランを立てることから、建材をまとめ買いする方法は使えません。建売住宅は建材のまとめ買いによって建築コストを抑えられるため、注文住宅に比べて低コストで一軒家を購入できます。

例として、2019年度における建売住宅・注文住宅それぞれの価格相場を見てみましょう。

建売住宅 （分譲戸建住宅 ）	注文住宅
3,851万円	4,615万円

出典：国土交通省「令和元年度住宅市場動向調査」

比較すると、建売住宅のほうが約760万円安いことが分かります。

2-2.内見をして購入できる

マンションなどの賃貸物件に引越ししたことがある人は、居住する部屋をあらかじめ内見した経験があるのではないでしょうか。建売住宅は完成済みの住宅を販売していることが多いため、マンションのように購入前に家を内見することができます。内見をすると住宅の外観から内装・間取りに至るまでをしっかりチェックできるため、住宅購入の失敗を減らせることがメリットです。もちろん、不明点があればスタッフに尋ねたり、購入を保留にしたりすることもできます。

建築工事が始まっていない注文住宅では、内見で確認してから購入を決めるやり方はできません。

2-3.購入手続きがスムーズに行える

建売住宅は土地・住宅をセットで購入するため、支払い金額は土地代・建物代が一緒になっています。売買契約時に手付金を払うと、残りの金額は住宅ローンで一括で支払うことが可能であり、購入手続きがスムーズに行えることがメリットです。建売住宅を購入する場合であれば、住宅ローンを2本に増やす必要もありません。

注文住宅を購入する場合は土地・住宅を別々に購入する必要があるため、売買契約や建築請負契約も別々に行わなければなりません。とくに、つなぎ融資を利用する場合は支払いサイクルが複雑になり、返済シミュレーションをイメージしづらくなるというデメリットがあります。

2-4.短期間で入居できる

建売住宅は家が完成済みであることが多く、購入後に短期間で入居できることがメリットです。住宅の建築状況や契約状況によって異なるものの、完成済みの建売住宅を住宅ローンを借りて購入する場合は、約1～2ヶ月で入居できます。気に入った家を見つけることができれば、スムーズに入居して新生活をスタートすることが可能です。

対して注文住宅を購入する場合は、土地探しと施工会社探しで3～4ヶ月、間取り図作成や見積もり依頼で1～2ヶ月、建築工事で2～6ヶ月はかかります。全体で約6ヶ月～1年が必要となるため、注文住宅の購入後に短期間で入居することはできません。

3.建売住宅を購入する2つのデメリット

建売住宅を購入することはメリットばかりではなく、住宅の仕様がすでに決定している建売住宅ならではのデメリットもあります。自分にとって理想の家を追求したい場合、建売住宅では実現が難しい可能性もあるため、注意してください。

以下では、建売住宅を購入する2つのデメリットを紹介します。

3-1.間取りや設備を自由に選べない

建売住宅のほとんどは建物部分が完成済みの状態で販売しているため、間取りを自由に選ぶことはできません。取り付けられる設備も決まっていることが多く、家づくりとしての自由度は低いことがデメリットです。

未完成の状態で販売されているケースでは、間取りを変更したり、オプションで設備の取り換えができたりすることもあります。たとえば「寝室を子供部屋にしたい」という要望であれば、壁を新設して間仕切りにすることで対応可能です。

しかし、間取りや設備を変更できるケースであっても対応できる幅には限度があり、家自体の構造や仕様を自由に変更することはできません。希望通りの間取り・設備を選びたい場合は、条件に適う建売住宅を見つけるか、注文住宅でオーダーメイドする必要があります。

3-2.家の外観に個性を出せない

建売住宅は分譲地の住宅を同じ規格で建てることが多く、完成する住宅はある程度決まったデザインとなります。同じ規格で建てることはコストを抑えるメリットにつながっているものの、家の外観に個性を出せないことはデメリットです。

同じ区画に複数の建売住宅が存在している場合、隣地と似通った住宅が建てられている可能性もあります。住宅の設計段階から要望を出すことができる注文住宅であれば、家の外観が近隣住宅と似てしまうケースは起こりません。

購入した住宅は長く住まうマイホームとなるため、外観に不満点を持ったまま購入して後悔しないようにしましょう。建売住宅を購入するときは間取り図だけで決めず、必ず現地を訪れて外観もチェックすることをおすすめします。

4.建売住宅・注文住宅どちらが良い？それぞれに向いている人とは

最後に、建売住宅・注文住宅それぞれに向いている人の特徴を紹介します。建売住宅と注文住宅は購入費用や入居までの手続き・期間に違いがあるため、自分に合うほうを選びましょう。

注文住宅は費用や手間・時間はかかるものの、自分の理想が詰め込まれた家を建てたい人に向いています。

建売住宅は実用的な住まいを望む人に向いています。個性の有無よりも暮らしやすさを重視したい人は、建売住宅がおすすめです。

まとめ

建売住宅は、土地と住宅がセットになっている販売方式です。建売住宅は注文住宅に比べて販売価格が安く購入手続きもスムーズであり、短期間で入居できるなど、多くのメリットがあります。間取りや設備の自由度が低い、外観に個性を出せないというデメリットもあるものの、コストを抑えて暮らしやすい家を購入したい人には建売住宅が向いています。

グランディハウスでは、一棟一棟を異なる設計コンセプトで建てることにより、注文住宅同様の個性的な建売住宅を実現しています。コストを抑えながら魅力的なマイホームを購入したい人は、グランディハウスの建売住宅をご検討ください。