多くの方にとって、マイホームの購入は一生に一度のライフイベントです。金額が非常に高価であり、購入後は長く住むこととなるため、絶対に失敗したくない方がほとんどでしょう。
マイホームを購入する際は、想定外のリスクやトラブルを未然に防ぐためにも、全体の流れを把握することが重要です。
今回は、マイホームを購入する際の流れと購入のタイミングについて解説します。これからマイホームの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1.家を購入するタイミングは?
下記は、家を購入する際の平均年齢や世帯年収などをまとめた表です。
住宅一次取得時の世帯主の年齢
住宅の種類 | 平均年齢 | 30代の比率 | 40代の比率 |
---|---|---|---|
注文住宅 | 39.1歳 | 48.4% | 25.0% |
分譲戸建住宅 | 36.8歳 | 51.3% | 22.5% |
分譲マンション | 39.4歳 | 51.7% | 26.5% |
中古戸建住宅 | 42.8歳 | 38.1% | 33.9% |
中古マンション | 44.8歳 | 30.3% | 31.3% |
住宅一次取得時の世帯年収
住宅の種類 | 平均年収 |
---|---|
注文住宅 | 731万円 |
分譲戸建住宅 | 641万円 |
分譲マンション | 752万円 |
中古戸建住宅 | 628万円 |
中古マンション | 656万円 |
上記の表からは、住宅の種類にかかわらず30~40代で住宅を購入する方が多いことがわかります。世帯年収で見ると600万~800万円が多い状態です。
住宅ローンは最長35年という長期にわたる場合もあるため、住宅ローンを組める年収と返済余力を考慮し、30~40代で家を買う方が多いと考えられます。
2.家を購入する際の7STEP
マイホームを購入する際の流れとして、主に下記のステップがあります。
- STEP1:住宅のイメージ固め・資金計画
- STEP2:情報収集・物件見学
- STEP3:絞り込み・申し込み
- STEP4:住宅ローン審査
- STEP5:不動産売買契約
- STEP6:残金決済・引き渡し
- STEP7:入居・税金関連の手続き
ここでは、それぞれのSTEPで行うべき内容とポイントについて、詳しく解説します。
2-1.STEP1:住宅のイメージ固め・資金計画
マイホーム購入の最初のステップは、購入する住宅のイメージを固めることと、資金計画を立てることです。購入できる住宅は用意できる資金によって決まるため、先に資金計画を立てましょう。
購入できる物件の価格は、「自己資金」と「融資可能額」の合計で決まります。用意できる自己資金と、住宅ローンの融資可能額の確認を行うことが必要です。
なお、国土交通省の資料によると、住宅購入の際に比較検討する住宅の種類は、現在住んでいる住宅と同じ種類の住宅を検討する傾向が見られます。注文住宅に住む世帯は注文住宅を、分譲戸建住宅に住む世帯は分譲戸建住宅を検討している傾向です。
2-2.STEP2:情報収集・物件見学
購入するマイホームの希望と予算・資金計画が固まったら、物件の情報収集を行います。国土交通省の資料によると、物件情報を収集する方法については、注文住宅世帯の場合は住宅展示場、分譲戸建て住宅世帯では不動産業者が最も多い状態です。
条件にあった物件を効率よくチェックするためには、不動産・住宅情報ポータルサイトを活用して検索を行う方法がおすすめです。譲れない条件から優先順位付けを行い、該当する物件をピックアップしましょう。
気になる物件をピックアップしたら、イメージの相違がないか確認するためにも、なるべく多くの物件を実際にチェックします。実際に見学した物件のなかから、購入する物件の候補を絞り込んでいきましょう。
2-3.STEP3:絞り込み・申し込み
物件情報・物件見学を行って物件をピックアップしたら、さらに条件を突き詰めて購入する物件を絞り込みます。購入意思が固まった際は、物件購入申し込みの手続きを行いましょう。他の方に先に購入されることがないよう、早めに申し込み手続きを行うことがポイントです。
物件の申し込み手順は以下のとおりです。
1.必要書類を用意する
物件購入の申し込みには本人確認書類のコピーが必要となるため、事前に準備しておきます。
2.物件購入申し込みを行う
該当物件を販売する不動産会社にて、購入申込書を記述して提出します。価格交渉を行う場合は、申し込みと同じタイミングで行いましょう。
国土交通省の調査によると、初めてマイホームを購入する方の物件購入資金は下記のとおりです。
注文住宅 | 約4,300万円(自己資金約830万円・借入金約3,500万円) |
---|---|
分譲住宅 | 約3,650万円(自己資金約800万円・借入金約2,850万円) |
なお上記の調査地域に関しては、注文住宅は全国、分譲住宅は三大都市圏となっています。物件購入の意思決定や価格交渉を行う際の目安にしてください。
2-4.STEP4:住宅ローン審査
物件購入の申し込み後は、住宅ローンの申し込みと審査を並行して行います。住宅ローンの審査の流れは以下のとおりです。
1.住宅ローンの申し込みを行う
金融機関を決めて住宅ローンの申し込みを行います。本人確認書類・収入証明書・印鑑(認印)などが必要となるため、準備しておきましょう。
2.事前審査
審査は二段階となっており、まずは事前審査が行われます。
3.本審査
事前審査に通過したら、本審査が行われます。本審査に通過すれば融資が決定します。
国土交通省の調査によると、マイホームを購入した方は住宅ローンを30年以上の期間にわたって、年間120万円以上を返済している調査結果が出ています。住宅ローンは高額な金額を長期にわたって返済することとなるため、無理のない返済計画を立てたうえで申し込むことが重要です。
2-5.STEP5:不動産売買契約
不動産売買契約は、売主と買主との間で締結する物件売買に関する正式な契約のことで、マイホーム購入を決定づける重要なステップとなります。不動産売買契約の手順は以下のとおりです。
1.重要事項説明
物件購入の最終判断のために、宅地建物取引士から重要事項説明を受けます。疑問点・不明点があれば必ず伝えるようにしましょう。
2.売買契約を締結する
重要事項説明を受けて売買取引に納得できたら、不動産売買契約を締結します。不動産売買契約書に売主・買主が署名・捺印することで、契約が締結されます。不動産売買契約の際には、「印鑑(実印)」「本人確認書類」「手付金」を用意してください。
3.手付金を支払う
不動産売買契約と同時に、契約の意思表示として手付金の支払いを行います。手付金は売買代金の5~10%程が相場です。
不動産売買契約は法的効力を伴うため、後からの解約は非常に困難です。契約の締結前には、慎重に精査するようにしましょう。
2-6.STEP6:残金決済・引き渡し
引き渡し当日は物件状況報告書・付帯設備表を受け取り、書面をもとに物件の最終確認を行います。確認後は、物件購入代金から内金・手付金を差し引いて支払金額を調整する「残代金精算」が行われ、住宅ローンの融資が実行されて売主に残代金が支払われる流れです。
物件購入代金が売主へ支払われた後は所有権が買主へ移転するため、鍵を受け取ればマイホームは自分のものとなります。引き渡し当日は、固定資産税・都市計画税といった税金の精算や、法務局への所有権移転登記申請の手続きなども発生するため、事前に準備しておきましょう。
2-7.STEP7:入居・税金関連の手続き
引き渡し後の物件は所有権が自分に移るため、いつでも引っ越しをして入居ができます。新居への入居後は、まず近隣への挨拶回りを行っておきましょう。また、入居後は税金関連の手続きを行わなければ損をしてしまうため、注意が必要です。
入居後に行う税金関連の手続きは以下のとおりです。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方が、各年度末の住宅ローン残高の1%が10年間所得税などから控除される仕組みです。自動的に控除が適用されるのではなく、マイホームを購入した翌年に確定申告をしなければなりません。
すまい給付金
一定金額以下の年収で住宅ローンを利用した方が、最高50万円まで受けられる給付金です。
マイホーム購入の際の税制優遇はメリットが大きいため、必ず手続きを行っておきましょう。
まとめ
マイホームを購入する際の流れは煩雑です。失敗やトラブルのリスクを避けるためにも、1つずつのステップにフォーカスして、焦らず着実に物事を進めることが重要といえます。
家を購入する流れの全体を見渡せば、やるべきことが多く複雑な印象を受ける方もいるでしょう。しかし、細分化してみるとそれぞれのステップは決して難しくありません。
これからマイホーム購入を検討する方は、今回紹介したステップを参考にしてスムーズなマイホーム購入に役立ててください。