一軒家が欲しいと考えているものの、購入にはどれくらいのお金が必要になるのか不安に感じる人は多いでしょう。一軒家の購入は大きなライフイベントであり、失敗したくないと考えるのは普通のことです。購入を考える際は、住宅ローンの頭金の相場や返済額の相場を事前に把握し、家計を圧迫しない範囲で一軒家を購入できるようにしましょう。
当記事では、家の購入にかかる相場から、住宅会社別の一戸建て住宅の値段相場、家を買う適切な値段までを解説します。一軒家の購入を考えているファミリー層の人は、ぜひ参考にしてください。
目次
1.家の購入にかかる相場
下記は、2020年時点の家の購入相場を住宅種別ごとに比較した表です。
住宅種別 | 所要資金 | 住宅面積 |
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注文住宅 | 3,533万円 | 124.4m2 |
土地付き注文住宅 | 4,397万円 | 111.1m2 |
建売住宅 | 3,495万円 | 101.1m2 |
マンション | 4,545万円 | 66.2m2 |
中古戸建 | 2,480万円 | 113.2m2 |
中古マンション | 2,971万円 | 67.9m2 |
出典:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
住宅種別ごとに見ると、マンション購入にかかる資金がもっとも高く、新築住宅は中古住宅の約1.5倍の相場となっています。また、新築住宅の所用資金相場は上昇傾向にあり、中古住宅の相場は下落傾向です。注文住宅・土地付き注文住宅の所用資金相場は、首都圏・近畿圏・東海圏の順で全国平均を上回ります。建売住宅・マンション・中古戸建・中古マンションの相場は、首都圏のみ全国平均より高い傾向です。
1-1.住宅ローンの頭金の相場
住宅ローンを借りてマイホームを購入する際は、全額借り入れることもできますが、「頭金」と呼ばれる現金を最初に支払う人もいます。ここでは、住宅種別ごとの頭金の相場を紹介します。
住宅種別 | 手持金 |
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注文住宅 | 619.0万円 |
土地付き注文住宅 | 440.5万円 |
建売住宅 | 247.3万円 |
マンション | 758.1万円 |
中古戸建 | 198.7万円 |
中古マンション | 343.4万円 |
出典:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
頭金を支払うと、月々の支払い額が少なくなり返済が楽になるだけでなく、借入金に対する利息も少なくなります。なお、頭金は物件購入価格の2割が目安であり、追加資金や経済状況によっては金額を調整することも大切です。
また、頭金ゼロで住宅ローンを借り、返済前に家を売却する場合、売却査定額が住宅ローンの残高を下回る可能性があることに注意しましょう。
1-2.住宅ローン返済額の相場
住宅種別ごとの住宅ローン返済額の相場は、下記の通りです。
住宅種別 | 1か月当たり予定返済額 |
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注文住宅 | 94,400円 |
土地付き注文住宅 | 119,500円 |
建売住宅 | 100,300円 |
マンション | 123,100円 |
中古戸建 | 74,100円 |
中古マンション | 85,600円 |
出典:住宅金融支援機構「2020年度フラット35利用者調査」
住宅ローンの返済額が適切かどうかを判断する際は、月々の収支や家賃などを目安に考えることがおすすめです。月々の収支に関しては、生活費・老後の資金・子どもの学費など将来必要になるお金も含めて考え、無理なく返済できる金額を算出するとよいでしょう。
また、現在住んでいる賃貸住宅の家賃と比較する場合、月々の支払額が同じでも住宅ローン返済では、固定資産税など賃貸住宅ではかからない支出がある点に注意が必要です。
2.【住宅会社別】一戸建ての値段相場
家を購入する際の相場は、住宅会社の種類にも左右されます。ここでは、代表的な4つの住宅会社別の一戸建て住宅の値段相場を、特徴などを交えながら紹介します。なお、相場は延床面積30坪の場合です。また、住宅の仕様やデザインなどによっても相場は変わるため、あくまでも目安としてとどめてください。
2-1.ハウスメーカー
「ハウスメーカー」は、全国展開している大規模な住宅会社を指します。特徴は下記の通りです。
相場 | 約3,000万~6,000万円 |
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メリット |
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デメリット |
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ハウスメーカーは、大量生産で規格化された低コスト・高品質の建材を使用します。システム化された施工を行うため、工期は90日程度と比較的短い傾向です。また、家づくりに関するノウハウを蓄積し、最新技術を取り入れた家づくりを積極的に行っている特徴もあります。
価格帯は幅広いものの、広告宣伝費や人件費によりコストは比較的高くなっています。また、仕様の変更やオプションの付加により、追加費用がかかることも少なくありません。複数社で同じ予算・条件を提示し、理想的なプランを組んでくれる業者を探す方法がおすすめです。
2-2.工務店
「工務店」は、地域密着型の住宅会社を指します。相場やメリット・デメリットは下記の通りです。
相場 | 約2,500万~4,000万円 |
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メリット |
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デメリット |
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工務店は、大手ハウスメーカーの下請けをしている会社もあり、大手ハウスメーカーと同等の技術・品質が期待できる傾向です。しかし、工務店によって規模・強み・技術力は異なります。工務店を選ぶ際は、実績やクチコミ調査など情報収集を行ったり、見積もりを取ったりした上で、複数社を比較検討しましょう。
多くの工務店では住宅の設計について、フルオーダーまたはある程度決まったプランから選ぶことができます。また、地域の特徴を踏まえた家づくりを得意とする工務店も少なくありません。
工務店では広告宣伝費・人件費が抑えられるため、同じ坪数・設計・プランでも、大手ハウスメーカーより安く家を建てることが可能です。
2-3.パワービルダー
「パワービルダー」は、比較的安い価格帯で建売住宅を販売する会社を指します。特徴やメリット・デメリットは下記の通りです。
相場 | 約2,000万〜4,000万円(土地価格込み) |
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メリット |
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デメリット |
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パワービルダーは、大手ハウスメーカーや工務店が扱わない変形地を購入し、徹底したコスト管理のもとで家を建てるため、分譲住宅の低価格化を実現しています。一定規格の建材を使い、施工をマニュアル化しているため、工期が圧倒的に短く、50日程度で完成することも特徴です。
なお、パワービルダーが建てる住宅と混同されやすい住宅に「ローコスト住宅」があります。ローコスト住宅は、延べ床面積が30〜35坪ほどで坪単価30〜50万円の安い注文住宅を指し、ハウスメーカーや工務店で扱うケースも見られます。
2-4.設計事務所
設計事務所とは、建築家が所属し、建物の設計・設計監理・工事監理などを行う法人を指します。相場やメリット・デメリットは下記の通りです。
相場 | 約3,000万~5,000万円 |
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メリット |
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デメリット |
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設計事務所では、決まった設計の住宅から選ぶハウスメーカーなどと異なり、依頼主の希望を反映した独創的な住宅や、住みやすい住宅を建てることができます。
建築家と一口に言っても、さまざまな分野を専門とする人がいるため、住宅設計の実績があり、コスト感なども理解している住宅専門の建築家に依頼することが重要です。
3.家を買うのに適切な値段はいくら?
家は買って終わりではなく、固定資産税・都市計画税のほか、快適に住み続けるための補修・塗装工事費用などの維持費もかかります。また、子どもの学費・老後の生活費など、ライフプランの中でも多くのお金がかかるでしょう。
以上のような状況を踏まえ、家の購入価格を決める際、住宅ローンの返済負担率が25%に収まる金額にするとよいと言われています。返済負担率とは、1年間の返済額が年収に占める割合です。無理をせず、できるだけ余裕を持った返済計画を立てることが重要です。
まとめ
家の購入価格の相場は、住宅のタイプや地域のほか、新築・中古によって異なります。また新築の住宅を買う場合も、ハウスメーカーや工務店などの住宅会社によってさまざまな違いが見られます。
なお、注文住宅は設計の自由度が高いものの、こだわればこだわるほど高額となる傾向です。家づくりに大きなこだわりがなく、シンプルで暮らしやすい住宅を求める場合は、建売住宅という選択肢もあります。関東圏の建売住宅に興味を持たれましたら、デザイン性豊かで、アフターサポートも充実したグランディハウスにぜひご相談ください。