「新築だから地震保険は必要ないのでは?」「新築物件なのに地震保険の保険料が予想以上に高額で悩んでいます」といった声をよく耳にします。
こうした不安を解消するためには、不動産会社や保険代理店に相談し、その新築物件に最適な地震保険プランを選択することが重要です。
本記事では、新築物件における地震保険の必要性や保険料の相場、加入時の注意点など、地震保険に関する重要なポイントを詳しく解説します。
目次
地震保険とは
地震保険は、地震や津波、火山の噴火によって建物や家財に被害が発生した際に、その損害を補償する保険制度です。
地震保険の主な特徴は以下の通りです。
火災保険の付帯保険として設計されており、単独での加入はできません
保険金額は火災保険の30%〜50%の範囲内で設定します
保険料の半額を国が負担する制度です
地震大国である日本において、住宅ローンを組む際には加入が推奨されています
特に新築住宅の場合、建物の資産価値が高いため、地震による損害が発生した際の経済的影響が大きくなる可能性があります。そのため、地震保険への加入を検討することが重要です。
また、地震保険は地震に起因する二次災害も補償範囲に含まれており、地震後の火災や津波による被害なども保険金の支払い対象となります。
新築物件に地震保険は必要?
新築物件であっても、地震保険への加入は強く推奨されます。日本は地震大国であり、新築だからといって地震のリスクを軽視することはできません。
その理由として、以下の3つが挙げられます。
新築物件は建築費用が高額なため、被災時の経済的損失が大きくなる
耐震性能が高くても、予想を超える地震で被害を受ける可能性がある
地盤や周辺環境による影響は、新築でも避けられない
したがって、新築物件であっても地震保険への加入は必要不可欠といえるでしょう。被災時の経済的リスクを軽減し、大切な資産を守るための重要な対策として検討すべきです。
地震保険の相場
地震保険の保険料は、新築物件で火災保険金額の30%から50%の範囲で設定するのが一般的です。
新築物件の場合は耐震性能が高いため、一般的に保険料が割安になる傾向があります。また、耐震等級証明書がある場合は最大50%の割引が適用される可能性もあります。
特に新築マンションでは、建物の構造が鉄筋コンクリート造であることが多く、木造住宅と比較して保険料が抑えられます。
ただし、所在地による地震リスクの違いは、新築であっても保険料に大きく影響するため、加入前に具体的な見積もりを取ることをお勧めします。
地震保険の料金の変動要因
地震保険の保険料は、いくつかの要因によって大きく変動します。新築物件であっても、補償内容や建物の構造、所在地などの条件によって保険料は異なってきます。
補償内容
地震保険の補償内容は、建物や家財の損害程度によって保険金の支払額が決定されます。火災保険の保険金額の30%から50%の範囲内で設定することができます。
損害の程度は全損、大半損、小半損、一部損の4段階で判定され、それぞれの支払割合が異なります。
物件の構造
建物の構造によって地震保険料は大きく変動します。木造と鉄筋コンクリート造では、耐震性能に大きな差があるため保険料に最大で2倍程度の開きが生じます。
その理由は、建物の構造によって地震による被害の程度が異なるためです。一般的に鉄筋コンクリート造の方が木造よりも耐震性が高く、地震による損害を受けにくい特徴があります。
以上のように、建物の構造は地震保険料を決める重要な要素となります。新築物件の場合は特に、構造選びの段階で将来の保険料負担まで考慮することをお勧めします。
所在地
地震保険の保険料は、建物が位置する場所によって大きく異なります。これは地震のリスクが地域によって異なるためです。
都道府県は3つの等地に分類され、等地によって保険料が変動します。1等地は最も地震リスクが低く、3等地は最も高いとされています。
このように、新築物件の地震保険に加入する際は、所在地の等地区分を確認することが重要です。特に地震リスクが高い地域では保険料が高額になりますが、それだけリスクも高いということを理解しておく必要があります。
地震保険に加入するメリット
地震保険に加入するにあたって3つのメリットをご紹介します。
地震の被害に備えられる
地震保険に加入することで新築物件であっても、地震による損害を受けた際の経済的な負担を軽減してくれます。
新築物件の場合、耐震性能が高く設計されていますが、それでも大地震の際には被害を受ける可能性があります。地震保険に加入することで、被害を受けた際の修復費用や建て替え費用の一部を補填できます。
津波や火山の噴火にも備えられる
地震保険は地震による直接的な被害だけでなく、地震に起因する津波や火山の噴火による損害も補償の対象となります。これは新築住宅の所有者にとって、より包括的な保護を提供する重要な特徴です。
地震保険で補償される災害関連の被害には以下のようなものが含まれます。
地震による津波で住宅が浸水した場合の損害
火山の噴火による建物の損壊
地震や噴火による火災の延焼
地震や津波による地盤の液状化被害
このように、地震保険は単に地震だけでなく、それに付随する自然災害による被害も広くカバーしてくれます。
特に沿岸部や火山の近くに位置する新築物件の所有者にとっては、重要な検討事項となるでしょう。
割引き制度が存在する
地震保険には複数の割引制度があり、条件を満たすことで保険料を最大50%まで抑えることができます。新築物件の場合は特に免震建築物割引や耐震等級割引の適用を受けやすい特徴があります。
地震保険の主な割引制度には以下のようなものがあります。
建築年割引:1981年6月1日以降に建てられた建物で10%割引
耐震等級割引:耐震等級に応じて10%から50%の割引
免震建築物割引:免震構造を採用している建物で50%割引
耐震診断割引:耐震診断の結果で10%割引
これらの割引を受けるためには、住宅性能評価書や耐震性能評価書などの証明書類の提出が必要です。新築物件の場合は、建築時に発行される書類を用意することで、スムーズに割引の適用を受けることができます。
地震保険に加入する際の注意点
新築物件に地震保険を付帯する際は、いくつかの重要な注意点があります。
2つの注意点についてご紹介します。
火災保険とセットで加入する必要がある
地震保険は単独での加入ができず、必ず火災保険とセットで契約する必要があります。これは法律で定められた規定となっています。
その理由は、地震保険が地震による被害の補償に特化した保険であり、火災保険と組み合わせることで総合的な保障を実現するためです。特に新築物件では、住宅ローンを組む際に火災保険への加入が必須となることが多く、同時に地震保険の検討も重要になります。
補償を受けられないケースを理解する
地震保険では、すべての地震被害が補償されるわけではありません。補償対象外となるケースを事前に理解しておくことが重要です。
補償を受けられない主なケースは以下の通りです。
地震発生から72時間を超えて発生した火災による損害
門、塀、垣根、物置などの付属建物の損害
家財として認められない現金や貴金属類の損害
地震の揺れによる家具の転倒のみの損害
事故や経年劣化が原因で発生した建物の損害
これらの補償対象外となるケースを理解した上で、新築物件の実態に合わせた適切な補償内容を選択することが大切です。
まとめ
地震保険の保険料は、建物の構造や所在地によって大きく変動します。特に、新築物件では耐震性能が高いため、保険料が比較的安価になる可能性があります。
加入のメリットとして、地震による被害だけでなく、津波や火山の噴火による損害も補償される点が挙げられます。また、新築物件では耐震等級割引などの各種割引制度を利用できる場合が多いです。
新築物件を購入する際は、建物の構造や所在地を考慮しながら、適切な補償内容の地震保険に加入することをお勧めします。
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