結婚や出産、子どもの入学・入園など、ライフステージが変化するタイミングで建売住宅(新築戸建住宅・分譲住宅)の購入を考えている方も多いでしょう。建売住宅を購入する際には、住宅や土地の費用だけでなく、各種手続きの手数料や税金、保険料といった諸費用がかかることに注意が必要です。
当記事では、建売一戸建ての住宅取得前・購入後にかかる諸費用の概要や金額の目安について解説します。住宅ローンに関する諸費用の相場も併せて確認し、予算に余裕をもって建売住宅を購入できるよう資金計画を立てておきましょう。
1.建売住宅の購入にかかる諸費用の目安
建売住宅を購入する際に必要となる費用は、物件本体の代金だけではありません。建売住宅の購入前や購入時、住宅ローン契約時に各種の諸費用がかかることに注意が必要です。
必要な諸費用の金額は、物件本体の住宅価格・住宅ローンの契約の有無などケースによって異なり、新築の建売住宅の場合は、物件代金の5〜10%が目安となります。物件本体の代金は住宅ローンを組んで支払うことができますが、購入にかかる諸費用は基本的に現金で支払う必要があるため、余裕をもって資金を準備しておきましょう。
2.建売住宅の購入前にかかる諸費用
建売住宅を購入する際には、申し込みから契約までといった購入までの期間に「手付金」「印紙税」といった費用が必要となるため、事前の準備が必要です。
ここでは、建売住宅の購入前にかかる諸費用の概要や、費用の目安、それぞれの費用におけるポイントについて解説します。
2-1.手付金
建売住宅購入における「手付金」とは、物件の購入契約が成立した証拠として、購入希望者が売主に支払うお金を指します。手付金を支払うことで、他のお客さんへの物件案内を止めることも可能です。
建売住宅を購入する際に必要となる手付金の目安は、物件購入価格の5〜10%ほどを考えておくとよいでしょう。不動産会社が売主の場合は、宅建業法で20%以内に収めるよう定められていることも念頭に置き、売主と相談の上で手付金の金額を決定してください。
支払った手付金は、基本的に物件の購入代金の一部として使用されます。契約履行前であれば「購入者が手付金を放棄する」または「売主が手付金の2倍の金額を返金する」と、契約破棄ができる「解約手付」の場合が多い点も押さえておきましょう。
2-2.印紙税
「印紙税」とは、印紙税法によって規定された「課税文書」に課される税金のことです。住宅ローンを利用して建売住宅を購入する場合、次の2つの契約書類が課税文書に相当します。
建売住宅の購入に関係する主な課税文書
- 「不動産売買契約書」…建売住宅の購入時に作成する契約書
- 「金銭消費賃借契約書」…住宅ローンを組む際に金融機関と作成する契約書
印紙税は、課税文書の種類や文書に記載された金額によって税率が異なります。不動産売買契約書や金銭消費賃借契約書の場合、軽減措置を受けられるケースもありますが、基本的には次のような金額の印紙税がかかることに留意しましょう。
契約書に記載された金額 | 印紙代(印紙税額) |
---|---|
100万円を超え500万円以下 | 2千円 |
500万円を超え1千万円以下 | 1万円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 2万円 |
5千万円を超え1億円以下 | 6万円 |
1億円を超え5億円以下 | 10万円 |
引用:国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで」
印紙税は、法務局や郵便局などで収入印紙を購入し、該当する契約書などに貼付・消印することで納めることができます。消印に必要な印鑑やボールペンを準備しておきましょう。
3.建売住宅の購入時にかかる諸費用
建売住宅を購入する際には、契約締結手続きから物件の引き渡し、残金の支払い開始(住宅ローン実行)までの間にも、仲介手数料や税金などの諸費用がかかります。
ここでは、建売住宅の購入手続きの後にかかる諸費用の内容や、金額の相場、それぞれの諸費用に関するポイントについて解説します。
3-1.仲介手数料
建売住宅を購入する際の「仲介手数料」とは、住宅の売主と買主の間で契約や意見を仲介してくれる不動産会社に成功報酬として支払う費用です。仲介手数料は、2回に分けて支払うケースが多く見られます。
仲介手数料を支払うタイミング
- 1回目…売買契約の締結時(仲介手数料の半金を支払う)
- 2回目…売買物件の引き渡し時(仲介手数料の残金を支払う)
仲介手数料の金額は物件価格(建物価格)や不動産会社の規定などによって異なりますが、宅建業法によって上限が定められています。
仲介手数料の上限(物件価格が400万円を超える場合の計算方法)
(売買価格×3%+6万円)+消費税
【例】売買価格3,000万円の物件の場合
(3,000万円×3%+6万円)×1.1(消費税)=105.6万円
仲介手数料は物件によって一定ではなく、物件取引を仲介する不動産業者によって設定額が異なる場合があります。必ず業者に事前確認しておきましょう。
3-2.固定資産税・都市計画税
「固定資産税」や「都市計画税」は、土地や建物といった資産を所有している方が、市町村に納める税金のことです。
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
課税対象 | その年の1月1日に住宅などの 固定資産を所有している方 |
都市計画法に基づく「市街化区域内」に 所有物件がある方 |
税率 | 固定資産の価格(評価額)をもとに算定した 「課税標準額」の1.4% ※自治体によって異なる場合あり |
課税標準額の0.3% ※自治体によって異なる場合あり |
納税のタイミング | 基本的には6月・9月・12月・2月 ※年払いも可能 |
固定資産税と同時に支払う |
物件のタイプや条件によっては、固定資産税の減額措置を数年間受けられる場合があります。購入予定の物件が適用要件に当てはまるかどうか、事前にきちんと確認しておきましょう。
3-3.登録免許税
「登録免許税」とは、購入した物件の登記申請を行う方が負担する税金のことであり、「不動産の固定資産税評価額×税率」の計算式で納税額を求めることができます。
登録免許税の税率は登記の種類によって異なり、新築の建売住宅を購入した場合の税率は0.4%と定められています。したがって、例えば固定資産税評価額が3,000万円の物件を購入した場合の登録免許税は「3,000万円×0.4%=12万円」となります。
3-4.司法書士報酬
不動産登記を行う際には、司法書士に登記手続きの代行を依頼するケースがほとんどです。司法書士報酬(費用)は登記の種類・税率によって異なりますが、5万~10万円程度を負担額の相場として考えておくとよいでしょう。
3-5.追加工事
新築の建売住宅の場合、通常は建物本体にお風呂やトイレ、キッチンなどの基本的な設備が整えられた「標準仕様」とよばれる状態で販売されています。しかし、雨戸(シャッター)や網戸、カーテンレールなどの設備はオプションとなるため、追加工事を行う必要があります。
追加工事にかかる費用は設備の数や種類、グレードによって異なりますが、最低限のオプションでも50万~100万円ほどかかります。設置したい設備と予算について、よく検討しましょう。
4.住宅ローンに関する諸費用
建売住宅の取得に際して、住宅ローンを組んで住宅購入代金を支払う方も多いでしょう。住宅ローンを借りる場合は、物件購入時に住宅ローンに関する諸費用が必要となります。
ここでは、建売住宅購入の際に必要な住宅ローン関連の諸費用について解説します。
4-1.ローン保証料・融資手数料
「ローン保証料(住宅ローン保証料)」とは、住宅ローン返済が滞る事態となった場合に、残りの返済額を保証会社に立て替えてもらう際に必要な費用です。保証料は住宅ローンの融資額(借入額)やローン借入期間によって異なりますが、35年ローンの場合の相場は融資額の2%ほど(融資額3,000万円の場合は約60万円)となります。
また、「融資手数料」は住宅ローン借入を行う金融機関に対して支払う費用のことです。融資手数料は約3万~5万円が相場といわれていますが、ローン借入額の2%ほどとしている金融機関もあるため、余裕をもって準備しておきましょう。
4-2.各種保険料
住宅ローンを利用する場合、火災保険への加入が融資条件となっているケースもあります。火災保険料の金額はプランによって変動しますが、相場は15万~50万円です。地震保険を追加する場合は、地震保険料として追加で10万円ほどの予算を準備しておきましょう。
また、団体信用生命保険(団信)は、ローン返済途中に契約者が死亡してしまった場合に残りのローンの支払い義務をなくしてくれる保険を指します。保険料は10万円前後であることが多く、住宅ローン金利に含まれるケースがほとんどです。
まとめ
建売住宅を購入する際には、物件本体の購入代金だけでなく、各種諸費用が必要となります。購入前・購入時に必要となる費用や、住宅ローンに関連する費用の概要と費用相場を踏まえて購入資金を準備し、自分たちに適した建売住宅の購入計画を立てましょう。
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※当記事で示した費用相場などの金額は、あくまで参考値であり、地域・種類などによって異なる場合があります。