一戸建ての家を購入しようと思ったとき、購入する住宅には建売住宅と注文住宅の2種類があります。建売住宅と注文住宅では、かかる費用や間取りの自由度、立地条件が大きく異なるため、それぞれの特徴を把握し、自分に合った住宅がどちらなのか検討する必要があります。
当記事では、建売住宅と注文住宅の違いとともに、それぞれの住宅に向いている人の特徴を詳しく解説します。理想のマイホームを手に入れるため、ぜひ参考にしてください。
目次
1.建売住宅と注文住宅の比較
建売住宅は、すでに設計・建築された状態で販売される住宅を指します。分譲住宅も建売住宅の一種であり、不動産会社がまとまった土地を購入し、区画整理をして住宅を建てたものを特に分譲住宅と呼びます。
一方、注文住宅は、施主が購入もしくは所有している土地に、自分好みの間取りやデザインを決めて建てる住宅です。注文住宅には、建物の仕様を自由に決められるフルオーダーと、決められる部分が限定されているセミオーダーがあります。
建売住宅と注文住宅の違いは、建て方・売り方だけではありません。ここでは、建売住宅と注文住宅の違いをさらに具体的に解説します。
1-1.かかる費用の違い
建売住宅と注文住宅を比較すると、建築にかかる費用は建売のほうが安く、注文住宅のほうが高くなるのが一般的です。土地と建物の取得にかかる所要資金の全国平均は、建売住宅が約3,605万円、土地付注文住宅が約4,455万円となっており、約850万円の差が生じています。
出典:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
建売住宅が安くなることが多い理由は、コストカットがしやすい点にあります。建売住宅では、建材や設備に同じものを使うことで、建材などの大量仕入れと工法の効率化を行い、材料費や人件費の削減が可能です。一方、注文住宅はオーダーメイドのため、建材・工法は施主の希望次第で変わります。大量仕入れなどのコストカットが行いにくく、費用負担は大きくなります。
また、建売住宅と注文住宅では、土地の購入費用についても考え方が異なります。建売住宅は土地と建物をセットで購入するため、住宅取得にかかる費用の全体を一目で把握することが可能です。また、費用の支払も建物の購入と一括で完了します。
注文住宅の場合、土地購入費用は建物の建築費用とは別に用意する必要があります。資金の調達や支払いも、土地の購入後に建築にかかわる手続きをするなど、段階的に行うのが一般的です。一方、注文住宅であれば土地の取得と建築を分けて考えられるため、土地と建物のどちらかの費用を抑えることで全体の予算を抑えられる可能性もあります。
1-2.立地条件の違い
建売住宅の場合、土地の購入は不動産会社が行います。不動産会社はプロとして買主のニーズを把握しており、立地のよい場所をまとめて購入していることが多く、建売住宅は好立地な場所に建っていることが多い傾向にあります。
注文住宅の場合は、施主がすでに所有している土地や、施主が自分で購入した土地に家を建てるのが基本です。立地のよい土地は、先に建売住宅用地として買い上げられていることも多く、注文住宅では購入時に必ずしも希望に沿った土地選びができるとは限りません。
1-3.間取りや設備の違い
建売住宅の場合、完成済みの物件を購入することがほとんどです。完成前に取引が行われるパターンであっても、設計は施工会社側で完了しています。さらに、使われる建材なども、あらかじめ施工会社で決められています。施工会社によっては、建具や壁紙の色を選択できる場合もあるものの、間取り・設備などの主だった部分については選択する余地はほとんどないと考えてよいでしょう。
一方、注文住宅の場合は、基本的には施主が間取りや設備を決定できるため、自由度が大きく高まります。施主が決められる範囲はプランによって異なりますが、マイホームには施主の意向を強く反映することが可能です。
1-4.入居までの流れや期間の違い
建売住宅を購入する場合、予算や希望する条件があらかた固まったら、不動産会社などを通じて物件探しを行います。完成済みの物件であれば現地で実際の物件を見学し、未完成の物件は現地の確認にくわえて図面・プランにて物件の詳細の確認が可能です。物件を気に入れば売買契約と住宅ローンの融資に進むことができ、売買成立後に引渡し・入居となります。
注文住宅を建てる場合は、建売住宅よりも踏むべき手順が多くなります。建売住宅は土地も建物も同時に購入できますが、注文住宅の場合は土地と設計・建築を依頼する施工会社の両方を探すことが必要です。また、土地や施工会社が決まった後は建築プランの構築を行った上で建築工事請負契約を締結し、ようやく着工となります。入居のタイミングは、建物が完成し、引き渡された後です。
入居までの期間は、建売住宅の場合、条件に合った物件が見つかればすぐにでも売買契約や住宅ローンの手続きを行えるため、1か月程度が一般的です。未完成の物件でも、入居までは長くとも4か月程度とスピーディーに進みます。
一方、注文住宅は、土地探し・プランニング・工事と手順が多い上に、それぞれの段階で最低3か月ほどかかると言われています。そのため、短く見積もっても入居までは9か月程度、長い場合は1年以上かかることも少なくありません。
2.建売住宅と注文住宅どちらを選べばいい?
建売住宅と注文住宅は、それぞれ異なったメリットとデメリットがあり、どちらが優れているとは一概には言えません。マイホームに求めるものによっては向き不向きがあります。
ここでは、建売住宅・注文住宅のそれぞれに向いている人について解説します。自分や家族の希望やライフスタイルなどと照らし合わせ、自分たちに合った方法を検討してください。
2-1.建売住宅に向いている人
建売住宅に向いているのは、次のような人です。
●予算を抑えたい人
必ずしも注文住宅より安くなるとは限りませんが、不動産会社側でコストカットを行っているので、買主側が特に工夫せずとも予算を抑えやすくなっています。
●入居後の生活をイメージしたい人
建売住宅はすでに完成している場合が多いため、実際の物件を見ることで、入居後の生活をイメージできます。
●土地を所有していない人
建売住宅は土地と建物を同時に販売してもらえるため、土地を所有していない人でも、あらためて自分で土地を購入する必要はありません。
●手間暇をかけたくない人
建売住宅は設計などの自由度が下がるものの、その分買主がやるべきことは少なく、入居までの時間も短くなります。比較的労力や時間をかけずにマイホームが手に入るため、建物のプランニングに時間を割けない人や、短い期間で入居したい人におすすめです。
2-2.注文住宅に向いている人
注文住宅に向いているのは、建物に対して強いこだわりを持っている人です。たとえば、外観から建材・性能まで、オリジナリティを追求した家にしたい場合には、注文住宅が適しています。
また、ライフスタイルや趣味を満喫するための部屋や設備も、注文住宅であれば実現することも可能です。音楽を趣味や仕事にしている人は防音設備、車が趣味の人は広いガレージといった特殊な設備を自宅に設けられるのも、注文住宅ならではの醍醐味です。
注文住宅の場合、土地探しやプランニングなどの手間暇やコストはかかりますが、外観から間取りまで、自分の理想を予算の許す限り詰め込めます。手間暇や費用がかかっても実現したいこだわりがある人は、注文住宅を検討することをおすすめします。
まとめ
注文住宅は所有する土地に自由に設計した住宅を建てるのに対し、建売住宅はすでに設計・建築された住宅を購入し一戸建てを所有します。注文住宅と建売住宅には金額や立地、間取りの自由度などに違いがあるため、それぞれの特徴を把握し、自分に合った建て方を選ぶとよいでしょう。
新居での生活をより具体的にイメージしたい方や、スムーズに住宅を購入したい方は、建売住宅を選ぶことをおすすめします。「グランディハウス」では、関東エリアを中心に分譲一戸建て住宅の販売を行っているため、住宅の購入をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。